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史上最強…じゃなかったバドミントン

前回、「無念……!(メダル有力視されてた人たち)」というタイトルの記事をあげましたが、
バドミントン界にも予想通りの活躍が出来なかった有力選手達がいます。
オリンピック開催前は、「今回の日本バドミントン選手団は史上最強」と思っていましたが、結果は……
前大会(リオ五輪)の成績の方が良かったですね……。

なぜ、最強だと思っちゃったんだろう?

冷静に考えれば、男子シングルスの桃田選手は危うかった。
2020年には大きな交通事故に巻き込まれました。オリンピックが2020年に開催されていたら、出場出来なかったかもしれない。事故は不幸だったけれど、オリンピックが延びた事は桃田選手には幸いしたと感じました。
が、今年1月には新型コロナに感染。なんと、海外の大会に出場する為に向かった成田空港での検査で陽性と判明したため、本人が大会に出られなかったのみならず、その大会に出場予定だった日本選手全員がキャンセルを余儀なくされたのでした。桃田選手以外、全員陰性だったのに……。

3月の全英オープンでは、桃田選手は準々決勝で負けています。そして、その前は430日も国際大会に出場していなかったそうです。430日もあれば大きく力を伸ばす選手もいる事でしょう。本来ならランキングも変わるけれど、コロナ禍で試合が少なかったから大きな変動はなく、桃田選手は表面上世界ランキング1位のままでした。

思えば……
2016年、桃田選手は違法賭博のせいで競技会出場停止処分を受けました。
私の勝手なイメージですが、彼はそのおかげで強くなったような気がしています。試合に出られなかった間、それまでやらなかったという地道なトレーニングに力をいれたそうで、それが功を奏したのではないかと思うのです。
彼の謹慎期間は約1年。1年でも変わるんですから、430日で変化があるのは当然。事故やコロナ罹患のせいで思うような練習が出来なかった「王者・桃田選手」とコロナ禍で試合には出られなくてもコツコツと地道な練習をしてきたかもしれない他の選手たちとの差が縮まる、もしくは逆転する事は不思議ではありません。もはや、ランキングは最新の力を示す指標とはなっていなかったかもしれません。

が、世間では2018~2019年の実績と、もはやあてにならないかもしれない「世界ランキング1位」という称号から彼を「絶対王者」と呼び、彼はテレビに引っ張りだことなりました。バラエティ番組にも多数出てました。オリンピックでメダルを取った選手のテレビ出演が増える事はありがちですが、オリンピックに出た事もない選手が、あそこまで脚光を浴びたのは珍しい事じゃないでしょうか。
バドミントン好きな私でさえ、「あぁ、やっぱり桃田選手は絶対王者なんだ」と思わされてしまった位なので、多くの人は「桃田選手は金メダル確実」と勘違いし、期待するのも無理はなかったのもしれません。

期待され過ぎた選手が期待通りの結果を出す事の難しさは過去の多くの有力選手達が証明していますが、改めて本当に難しいことなのだと思わされました。
「テレビに出すのはオリンピックが終わった後にしたい」と言っているコーチがいましたが(どの競技だか忘れた……)、同感です。オリンピック前に有力選手がテレビに出ているのを見るのはとても興味深くて、視聴率に貢献してしまう私が言うのもなんですが、過度なテレビへの露出は本人のプレッシャーに繋がってしまう気がしてなりません。たとえテレビに出るのが好きな選手だとしても、そこは周りの人に止めてもらいたい。メダルを取ったら、イヤという程テレビに出なくちゃならなくなるんですから。大会前はそっとしておいてあげてほしい気がしました。

今回の日本チームで一番期待されていたのは男子シングルスだと思います。次が女子ダブルス、そして女子シングルス、の順だったのではないでしょうか。混合ダブルスもいい所まで行くかもしれないと思ってはいたけれど、日本バドミントン選手団唯一のメダルが混合ダブルスになるとは意外でした。