MyFairOlympics

演出統括の責任者に野村萬斎さん

2018.08.04

先日、某サイトに
「五輪開閉会式、演出統括の責任者に野村萬斎さん」
という速報が流れました。

「萬斎さんの名前が速報に出たっ! すごい!」
というのが第一印象。
私は萬斎さんのファンなのです。
でも、演出統括って何?
長野五輪の浅利慶太さん(ご冥福をお祈りします)みたいなものなのでしょうか???

長野五輪の開閉会式はあんまり評判良くなかったんですよね……。
私は長野五輪のボランティアをやっていたので、あれは素晴らしい大会だったと思いたい。
閉会式は観に行きました。「ボランティア招待」などはなく、もちろんちゃんとお金を払って。
素晴らしい思い出として記憶に残っているので、「良くなかった」とは言いたくない。
「浅利慶太さんなんだから! 良くない筈はないんだからっ!」と、自分に言い聞かせてました。
つまり、主観入りまくりで冷静な判断が出来ませんでした。

東京五輪も客観的には見られそうにないなぁ。
あの浅利さんでさえ、あまり褒められなかった五輪開閉会式を、萬斎さんが大成功に導く事が出来るだろうか……?
不安な思いを抱きつつ、でもやっぱり、萬斎さんが責任者だなんて、ファンとしては嬉しいし誇らしいのでした。
不安な思いよりも、ワクワクするような気持ちの方が大きくなってゆきました。

会見では萬斎さん、「チーフ・エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター」と紹介されてました。何、その『LIFE!』の三津谷さんみたいな肩書き。(三津谷さんは「ゼネラル・エグゼクティブ・プレミアム・マーベラス・ディレクター」らしい)
「演出統括」をカタカナでいうとそうなるんでしょうか?

会見の中で印象に残ったのは、
「萬斎さんといえば『陰陽師』、『陰陽師』といえば羽生結弦選手というイメージですが……開会式や閉会式に登場していただきたい方というのはいらっしゃいますか?」という質問。ほぼ「羽生選手はセレモニーに出ますか?」ときいてるようなものですね。
萬斎さんは笑顔で「たくさんいますが、当日のお楽しみ」みたいな感じで、華麗にかわしていらっしゃいました。

会見では、萬斎さんがムーンウォークがお得意という話も出たらしいですね。
それをうけて萬斎さん、「足袋をはいて前に行けばすり足、後ろに行けばムーンウォーク、そういうことなんですよ。一見ミスマッチなものも、少し見方を変えれば繋がっているので、ワクワクドキドキ、そういうところを見せていきたい」とおっしゃったのだとか。
ステキじゃないですか。斬新な物になりそうじゃないですか。いや、式典で萬斎さんにムーンウォークをやってほしいという意味じゃないですよ、念の為。

2008年の8月、北京五輪の開会式を見て私は自分のブログにこんな事を書いてました。

「中国にチャン・イーモウ監督がいる事が羨ましいです。
東京にオリンピックを招致出来た場合、開会式のプロデューサーは誰がやるのだろう? 長野五輪の時は劇団四季の浅利慶太さんだったし、日本の場合は、やはり舞台演出家になるのかな? 蜷川幸雄さん? 市川猿之助さん?
猿之助さんの演出とか見てみたいけれど、お体の具合はどうなのだろう……?」

猿之助さん(三代目)は今の猿翁さんの事です。
ここに名前を出した日本人3人のうち、2人もお亡くなりになってしまいました。
3人共、1930年代のお生まれでした。五輪セレモニーの責任者という大役は、その位の年齢の人がやるものかと思ってました。
当時も萬斎さんの事は好きでしたけど、まさか萬斎さんのような若い方(↑の3人に比べれば30才位若い)がやる事になろうとは予想出来なかったなぁ。五輪と萬斎さんという、大好きなもの同士のリンクは無茶苦茶喜ばしい事の筈なのに、そんな素敵なリンクは思いつきもしなかったので願う事さえ出来なかった。何が起こるかわからないものです。もっとも、あれから10年も経ってるので状況は変わって当然……かな。
東京五輪のセレモニーが終わった後、世界中の人に「日本に野村萬斎がいる事が羨ましい」って思ってもらえたらいいなぁ。